二つの真逆の「干支」が出会うと、新しい世界が生み出されます:「干合」について
全ては「気」であり、「気」は五つに分類できると考えられています。
五つの分類を「五行」と言い、「木」「火」「土」「金」「水」です。
全ての中には、陰陽の相反する二つの全く違う特徴があって、その二つは常に影響を与えながら、拮抗し、助け合って存在すると考えられています。
それは、「五行」も例外ではありません。
「五行」は10個の「干支」に分類されています。
「干支」は目に見える「景色」の象意であり、その巡りは、進化の過程を表しています。
「木・陽」から始まり「水・陰」で終わり、「水・陰」は「木・陽」に気を送ることで、再び進化が始まります。
10個の「干支」は
「木」・・・「甲」(陽) 「乙」(陰)
「火」・・・「丙」(陽) 「丁」(陰)
「土」・・・「戊」(陽) 「己」(陰)
「金」・・・「庚」(陽) 「辛」(陰)
「水」・・・「壬」(陽) 「癸」(陰)
です。
それぞれの特徴は、次の様になります。
<甲>
東方の猛気。万物の殻を破り出る。突き破る力が働く。
<乙>
陽気未だ盛んにならず。ものが生じて屈する。障害を避けながら、強かに伸びる。
<丙>
陽気盛ん。曇りなく全体に、熱を広げていく。拡散する。
<丁>
火気充満する。煮炊きをするように他のものに影響を与える。
<戊>
万物茂る。大地に作物が実る。財を生み出した力がある。育てていく。
<己>
一定の形をなす。官職をなす。平等に分け与える。
<庚>
陰気ようやく募る。秋風が冷たくなり木々を枯らす。刈り取りの時期。取捨選択が始まる。
<辛>
成熟する。実ったものを味わう。より美味しく味わうための工夫をする。こだわり。
<壬>
気通じる。リセットする。枯れている稲を伐採する。
<癸>
万物水平にする。畑に次の作物を植える準備をする。
干支は、単体で存在しているわけではなく、様々な「気」の影響を受けて、変化します。
時には、まるで化学反応の様に、全く異なる形に変化してしまうこともあります。
個人の運で言うと、「命式」(誕生日から作るその人の運気の取り扱い説明書)では、影響の強さは、「命式」の近い(隣同士)も場合が、最も受けやすく、遠いほど影響は小さくなります。
例えば、「日柱」と「月柱」は影響が大きく、「日柱」と「年柱」はそれに比べると、影響が小さくなります。
また、他人との間でも、気は影響し合うために、この化学反応が起こります。相性を観るとは、この影響がどの様になっているかを判断するのです。
結びつきによっては、どちらか一方が強められたり、全く違う気に変化したりすることがあります。
何故だかわからないけど、この人と一緒にいるだけで、すごく元気になれると感じる場合は、たいてい、良い感じで化学反応が起こっていると考えられるのです。
特に、真逆の気が隣り合わせにある場合、または、真逆の気を持っている人との相性では、通常は「陽」の干支が「陰」の干支を抑え込む様に作用します。
ただし、ここからが、四柱推命のややこしくて、深くて、難しいく、だから面白いところなんですが、ある条件が成立した場合には、全く異なる気に変化してしまいます。
つまり、「化ける」のです。
「化学反応」の法則はたくさんありますが、今回は「干合」について書いてみますね。
「干合」とは、全く逆の気を持つ二つの干支(相剋関係)が出会う時に起こります。
<干合>
1)「甲・己」→土 万物を成育する徳あり。(中正の合)
大地に木が根付く景色です。地に足が着いた発展ができます。
相性の場合、「甲」の人は「戊」となります。(土気に変化する)
「己」の人はそのまま変化はしません。
2)「乙・庚」→金 勇敢の命あり。(仁義の合)
木を斧で切り整える景色です。「乙」の優柔不断さが解消され決断力が増します。
相性の場合、「乙」の人は「辛」となります。(金気に変化する)
「庚」の人はそのまま変化しません。
3)「丙・辛」→水 威厳あれど偏屈。(威制の合)
火が金属を溶かしていく景色です。知識を得たい欲求が増します。
相性の場合、「丙」の人は「壬」となります。(水気・陽に変化する)
「辛」の人は「癸」になります。(水気・陰に変化する)
4)「丁・壬」→木 情にもろく柔弱。(淫泆・いんいつの合)
大量の水が火をかき消す景色です。強い精神力を持ち物事を推し進める力が増します。
相性の場合は「丁」の人は「乙」に変化します。
「壬」の人は「甲」に変化します。
5)「戊・癸」→火 品行方正にして美麗。(無情の合)
小さい水の流れを山が堰き止める景色です。忍耐強く努力する力が増します。
相性の場合は「戊」の人は「丙」になります。
「癸」の人は「丁」になります。
ただし、相性で観る場合は、以下のような条件を満たしていることが必要となります。
「甲・己」→命式に土の五行が強い場合
「乙・庚」→命式に金の五行が強い場合
「丙・辛」→命式に水の五行が強い場合
「丁・壬」→命式に木の五行が強い場合
「戊・癸」→命式に火の五行が強い場合
命式で観る場合は、以下の条件を満たしていることが必要となります。
・二つの干が結合して変化する五行が、月支から相生か月支と比和の関係であること。
・命式に干合する五行や相剋する十干十二支を持っていないこと。
運気を紐解くのは、これらのことをあれこれと考えながら、「ああでもないこうでもない」と、暦と向き合って、想像を膨らませていくんです。
この間、講義を受けられた方が、「運気を調べ始めたら、気になることがどんどん出てきて、止まらなくなって、気がついたら深夜になっていて・・・すっかり寝不足になりました。」と言われてました。笑
そんなんです・・・私もです!
運気の「沼」に、一緒にハマってくれるお仲間が増えるのが、嬉しいです。
ただし、睡眠時間は大事です。
寝不足はお肌に大敵ですからね!